捻挫(ねんざ)の鍼灸治療
鍼灸は捻挫にも有効
捻挫(ねんざ)とは、足首などの関節に起こる軽度の怪我のこと。関節に過度な力が加わり、関節や靭帯を傷めてしまう状態で、通常、骨には異常ありません。例えば、転んだ拍子に足首をグキッ!とひねり、痛みが生じると同時に、真っ赤に腫れてくるような症状です。腫れは熱感を伴って赤くなり、ズキズキとした強い痛みが生じることが多いです。このような怪我をしたら多くの方は整形外科に行きますが、骨に異常がなければ湿布や痛み止めを処方されるだけで、あまり有効な治療法はありません。
一般にはあまり知られていませんが、鍼灸を使えばこのような捻挫の辛い症状を早く治すことができます。あくまで骨に異常がない捻挫についてですが、経験的に、早い段階で患部(捻挫で腫れている部分)やその周囲に鍼とお灸で治療しておくと怪我の治りがとても速くなります。また、怪我の後は固くなってしまうことが多いのですが、鍼灸でケアしておくと元の柔らかい関節の状態を回復しやすいです。
鍼灸が捻挫に効くのはなぜ?
鍼灸といえば腰痛や肩こり、冷え症などに効くというイメージが強いと思います。一方、捻挫や骨折などの怪我の治療ができると思っている人は少ないでしょう。しかし実際に捻挫をした時、鍼灸治療を行っておくと治るのがとても速くなります。それはなぜでしょうか?
捻挫は日常生活でも頻繁に見られ、特にスポーツ外傷として発生する場合が多いです。足首の捻挫が最も多く、ついで、膝、肩、ひじ、手の指などに生じやすいようです。捻挫の症状として、痛みのために動かすことができず、腫れて熱を持ちますが、鍼灸には、この熱を持った状態を解消させる効果があります。
捻挫で赤く腫れているような場所には、むくみなどの循環障害が起こっていますが、鍼灸で血液や体液の循環を改善することで、治癒を早めることができます。赤く腫れ上がった状態は、内部の圧力が非常に高まった状態であり、これが強い痛みの原因の一つになっています。鍼灸は血液や体液の循環を良くする効果が強いのですが、怪我をした関節周辺などに鍼灸をすると、内部で高まった圧力を抜くことができるのです。
身体の内部の圧力を組織内圧(そしきないあつ)と呼びます。通常、組織内圧が高まると炎症反応が起こりやすくなり、また、痛みを生じやすくなります。鍼灸は循環改善の効果で組織内圧を下げ、痛みを鎮めると同時に炎症を鎮めることができます。このことは怪我が治るまでの期間を大幅に早めることにつながるのです。
まずは安静
とはいえ、捻挫を治すために安静にすることが一番です。腫れて痛んでいる間はなるべく動かさないようにし、治るまで休めてください。一般的には冷やすことを勧められますが、冷やすことは痛みの感覚を鈍らせ、苦痛を和らげる一方、細胞の働きは鈍くなり治すことにはつながりません。
必要であればテーピングなどで固定することも役立ちますが、あまり強く締め付けると血液循環が悪くなり、治るのも遅くなりがちです。温める必要はありませんが、なるべく安静にして自然治癒を待つことが望ましいでしょう。その上で鍼灸治療を行えば治りが早くなり、怪我の後遺症も残りにくいのです。
このように、捻挫などの怪我をした場合は、骨折などしていないか整形外科で確認した後、鍼灸の施術を受けておくことをお勧めします。
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