鮭とビタミンDで冬を乗り切る
秋が旬の「サケ」はビタミンDが豊富で免疫力を高めてくれますから、ビタミンDが不足しやすい冬に向けて食べておきたい食材です。
ビタミンDの免疫調整作用
ビタミンDには免疫を調整する働きがあり、ウイルスに感染した際に過剰な免疫反応を抑え、必要な免疫機能を高めてくれると言われています。そのため、新型コロナウイルスの重症化を防ぐ栄養素としても注目されています。
『重症化した患者は血中ビタミンD濃度が低かった』というデータ知られていて、ビタミンD濃度が高く維持されていると、サイトカインストームと呼ばれる免疫の暴走や重症化を防いでくれるようです。
冬の間はビタミンDが不足する
ビタミンDは日光に当たると体内で合成されますが、秋から冬にかけては紫外線が弱くなる上、肌の露出がなくなるのであまり作られません。
夏の間に蓄えられたビタミンDは冬の間に枯渇していき、血液中のビタミンD濃度が低くなるほど免疫力が低下し、風邪をひきやすくなるということ。そのことから、冬に風邪が流行するのはビタミンD濃度の低下が原因だと言う説もあるのです。
脂溶性のビタミンDは体内に蓄えられるので、今から冬に備えてビタミンD食材を積極的に食べると良いと思います。
ビタミンDの多い食品
食品中のビタミンDはサケ、メカジキ、サンマ、イワシの丸干し、干し椎茸、黒きくらげなどに多く含まれます。
植物性食品に含まれるビタミンD₂より動物性食品に含まれるビタミンD₃の方が、体内での利用効率が2倍ほど高いので、一般的な食材として使いやすいサケをお勧めしています。
サケにはビタミンDの他、高い高酸化力で注目されているアスタキサンチンも含まれています。もちろん高タンパク食材であり、冬に向けて体力と免疫力を高めてくれるでしょう。
サプリメントの併用も有効
ただ、風邪などの積極的な予防を目的とするなら、食材だけで十分量を摂るのは難しいかもしれません。個人的にはビタミンD食材を意識しながら、サプリメントで少し補う、というような方法がいいのではないかと思います。
食材ベースを心がける最大のメリットは、一部の栄養素が突出することによる弊害が起こりにくいこと。また、サプリメントだけに頼るよりも、栄養吸収の効率や利用効率も高くなります。
ビタミンDが不足しやすい人
ビタミンDの必要摂取量は、室内での仕事、夜勤など、陽にあたらない生活をしている人ほど多くなります。また、妊娠中や授乳中の女性は必要量が3倍程度まで増えるので、不足しやすいと言われています。当てはまる人は、特に意識した方がいいでしょう。