夜泣きと鍼灸治療
夜泣きと小児鍼灸
育児が大変な理由のひとつに、夜泣きが挙げられます。お子さんの夜泣きの多くは何らかの原因によって生じた過度な緊張です。緊張が起こる原因は様々で、外出、寒さや暑さ、お母さんの疲れやイライラが伝わっている、栄養状態が悪い、甘いものの食べすぎなど、日常生活中にある様々な要因が考えられます。
小児はり
小児はりという、子供専用の鍼があります。これは赤ちゃんや子供の皮膚の緊張を弛めるための道具で、大人のように刺すわけではなく、ソフトな刺激で撫でさせるようにして、皮膚の緊張を緩めていきます。赤ちゃんは大人のように筋肉が強ばったりしませんが、心身のストレスが皮膚緊張として現れます。そして、適切なやりかたで撫でさするように刺激すると、皮膚緊張はゆるんで、緊張によって生じる夜泣きや機嫌の悪さなどを改善することができるのです。
当院での夜泣きの治療
当院での夜泣きの治療は、まずお子さんの身体の緊張を緩めるために、全身の小児はりと背中へのお灸を行います。(お灸はほとんど熱さを感じない安全なものです)治療は10分ほどで、だいたい週に2回程度ペースで続けると、皮膚や頭の緊張が弛んで、ぐっすり眠ることができるようになってきます。それと同時に、お母さんに簡単な手当ての方法をお教えしますので、寝る前やお風呂あがりなどに行っていただきます。手当のコツを覚えて慣れてくると、ちょっとした問題はご自宅で対処できるようになります。
食事を見直す
また、夜泣きの原因としてかなり大きなものに、栄養不足があります。乳児の栄養不足は、基本的に妊娠中や授乳中の母親の栄養不足が原因です。お母さんは妊娠中、授乳中は通常の1.5~2倍もの栄養を必要としますが、それまでの習慣や子育ての忙しさから、お母さんがご自分の食事をおろそかにしてしまっていることが少なからずあります。栄養が少ない状態では、お母さんも疲れ果ててしまいイライラしやすくなりますが、赤ちゃんも落ち着かない状態になりがちです。これが結果的に赤ちゃんの精神的な緊張、そして皮膚や頭の緊張の原因となり、夜泣きなどの症状として現れれ来るのです。
また授乳中のお母さんたちは、肉や脂ものを食べると乳腺炎になるなどの誤った情報によって、意図的に栄養豊富な食品を避けていることもあります。現実に過去の迷信からこのような間違った指導をする専門家もいるので注意してください。動物性のタンパク質や脂質は母乳の主成分であり、赤ちゃんの成長に欠かせないものです。避けるどころか、積極的に食べる必要があります。ちなみに、乳腺炎の主な原因は赤ちゃんの吸い方や授乳姿勢、授乳頻度の少なさにありますから、助産院などで適切な指導を受けてください。
まずはよく眠れるように
夜泣きが続くとお母さんは眠れませんから、心身ともに疲れ果ててしまいます。ですから、まずは赤ちゃんの緊張を弛めて眠れるように誘導し、一息ついていただきます。そのうえで栄養面などの原因を探り、できるだけ夜泣きが起こらないような状態を作っていくのが理想です。また、赤ちゃんよりもむしろ、お母さんのお身体を弛めて、整えることが必要な場合もあります。お母さんがリラックスできると、赤ちゃんも自然と落ち着くもの。乳児期はお母さんのコンディションと赤ちゃんの体調が連動していますから、総合的な判断が必要となるのです。
授乳中のあかちゃん、幼いお子さんを治療する場合、鍼灸の施術だけでなく生活習慣や食事の見直しが必要なことが多いです。早めにその点を改善することで健やかな発育を促すことにつながります。育児に悩みやトラブルを抱えている方は、お気軽にご相談ください。
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