足首の捻挫
folder日々の臨床
足首の捻挫
足首の捻挫を治療した症例です。
30代の男性、建設現場で働いていますが、仕事中に高いところから転落し、足首を捻挫してしまいました。それから2週間、休まずに仕事を続けているせいか、痛みが続いているとの訴えでした。
炎症性の熱を抜く刺絡
診察すると右の足首が腫れ、熱を持っていました。腫れて熱を持っているような症状に対しては、まずは、熱を抜く治療をします。炎症が治まれば痛みがかなり軽減します。
腫れ上がるような炎症を鎮め、熱を抜くには、刺絡(しらく)という治療法が著効します。初回は足首の腫れている部分に刺絡を行いました。
3日後に来院したとき、腫れはほぼなくなり、痛みもだいぶ軽減していました。できれば休んだほうがいいとお伝えしていたのですが、この間も通常通り仕事を続けていたそうです。診察すると、まだ関節にむくみが残っていたので、鍼とお灸で循環を促す治療をしました。
2回目の治療から4日後、もう一度来院しましたが、腫れは引き、痛みもなくなっていました。ただ、関節に少しこわばった感じがあるとのことでした。
捻挫は順調に治っているようなので、関節を温め、弛める施術を行い、施術後は違和感がなくなりました。しばらく様子をみて、痛みや違和感がなければ大丈夫でしょう。
怪我が治る段階
怪我の治療には、大まかに2つの段階があります。傷んだ関節や筋肉に炎症が起こっていいれば、まずは炎症を鎮めるための治療を行います。
炎症は傷を修復するためのプロセスで起こるのですが、炎症が長引くと怪我は治りにくくなります。炎症が起こっている分、痛みも強くなるので、炎症がスムーズに鎮まるように治療を行います。
炎症が鎮まった後、多くの場合でこわばりや重さ、鈍痛などが残ります。怪我が治りきっておらず、筋肉や人体が固まり、循環障害が起こっているような状態です。
この段階の治療は、こわばった組織を温めて弛めて、動きや血液循環を促すようにします。固まった組織が柔らかくなると、怪我が早く治るだけでなく、後遺症なども防ぐことができるのです。
鍼灸は怪我や怪我の後遺症に有効
あまり知られていないことですが、怪我をしたときに鍼灸をやっておくと、治りが格段に速くなります。また、昔怪我をしたところがこわばる、うずく、痛むといった、怪我の後遺症にも、鍼灸は大きな効果を発揮します。お困りの方は、ぜひご相談ください。