夏の冷えと下痢
鶏鳴下痢
今の時期は、腹痛のない(少ない)水様の下痢をする人が多くなります。特に、明け方や早朝に起こるこのような下痢を、東洋医学では『鶏鳴下痢(けいめいげり)』と呼んでいます。
鶏鳴下痢は、脾や腎の陽気不足から起こる症状で、簡単に言えば冷えから来ています。内臓の陽気、つまり温かさが足りない時に起こる症状の一つなんです。
冷房や扇風機に長時間当たったり、冷たいものをたくさん食べたり飲んだりすると内臓まで冷えてしまい、特に胃腸の弱い人は下痢をしやすくなります。
冷やさない 温める
冷えによる下痢は、冷やすことをやめて温めれば治ります。冷飲食を控え、熱い白湯や温かいスープを飲む。湯船にしっかり浸かったり、足湯をして、特に下半身を温めると落ち着いてくるでしょう。
鍼灸ではこのような時、脾や腎のツボを温める治療を行います。あるいは腰に棒灸や灸頭鍼などをして、身体の深部までしっかり温めると治ります。
冷え以外の下痢症状
同じ下痢でも、強い腹痛をともなう下痢は、自律神経の乱れ(過緊張)や腸の炎症などから、腸管が急激に動くことによって生じるので、冷えによる下痢とはタイプが違います。
また夏場の下痢は、食あたりや感染症によることもあるので注意が必要です。細菌やウイルスよって起こる下痢は、腹痛や嘔吐、発熱などの症状を伴うことが多いです。食あたりや感染症による下痢の場合、症状が重いと脱水状態になることがあるので、水分の補給も重要となります。
これらの症状でも身体を冷やさず、冷えていれば温めて免疫力を高めた方が治りやすいと思います。ただし、熱中症による下痢だけは温めてはいけません。
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