陰と陽
folder東洋医学
東洋医学のベースとなる古代中国の思想では、すべてのものや現象を陰と陽に分けて認識しました。
例えば、
- 夜は陰で昼は陽
- 冬は陰で夏は陽
- 寒さは陰で暑さは陽
- 大地は陰で天は陽
といった具合です。
東洋医学もこの考えで人を診ており、
- 下半身は陰で上半身は陽
- 内臓は陰で身体の表面は陽
- お腹は陰で背中は陽
- 女性は陰で男性は陽
- 子供は陰で大人は陽
このようになっています。
陰陽のバランス
鍼灸で身体を調える時、この陰陽のバランスを取ることが重要となります。
例えば、胸や頭に熱がこもって足が冷えているようなときは、陽の部位(胸や頭)に陽気が偏っていますから、足の方まで陽気がめぐらす、冷たくなってしまう。そのようなときは、陰の部位である足のツボに鍼や灸を行い、陽気を下の方に引き降ろすようにして陰陽の偏りをバランスを調えます。
すると、陽の部位にこもっていた熱が足先まで引き降ろされるようになり、火照りやのぼせがなくなり、それによって生じていた痛みや不快な症状がなくなるのです。
陰陽の循環を促す
宇宙に存在するすべてのものは、陰と陽の両面性を持っていますが、陰だけ、陽だけのような状態では存在できません。
また、陰陽のバランスは絶えず変化していて、陰が極まれば陽に向かい、陽が極まれば陰に向かう・・というように、常に循環しています。
自然界や身体の陰陽は、季節の変動、身体の成長や老化に伴い変動しながら循環しているのですが、鍼灸や東洋医学ではこの循環がスムーズにいくように促していきます。
陰陽をコントロールする、操作する、というよりは、季節やライフステージに応じた本来のバランスに戻ることを促すために、治療行為を行っていくのです。