背筋を鍛えると健康になる
背筋の強さと健康
背筋(はいきん)の強さは健康レベルを知る手がかりの一つとなります。背筋群、つまり背骨を支える筋肉が強くて弾力のある人は、体力のある人が多く、活発な心身を保っていると感じています。
背筋群には姿勢保持に働く筋肉が多く、インナーマッスルと呼ばれる深層筋も含まれています。背筋群が弱いと猫背になりやすく、呼吸が浅くなり、首や肩が凝りやすくなりますが、それと同時に、自律神経にも大きな影響を与えているのです。
赤い筋肉を鍛える
筋肉が少なく、痩せていている人は、特に女性に多いです。このような体つきの人はストレスに弱い傾向があり、日常的に続く過度な緊張によって首肩に強いコリを持っていることが多いです。このような人は、背骨を支える背筋群も非常に弱い。背筋群が弱いと代謝が低下し、冷え性や慢性疲労などの原因にもなります。
深層筋(しんそうきん)と呼ばれる、身体の深いところで姿勢保持に働く筋肉は、赤い色をしている、瞬発力よりも持久力のある筋肉です。赤筋(せっきん)、遅筋(ちきん)などと呼ばれるこの筋肉には、酸素を使ってエネルギーを作る『ミトコンドリア』がたくさん存在しています。
実はこの赤筋を鍛えると、ミトコンドリアも増え、基礎代謝が高まってくるのです。
エネルギーを生み出すミトコンドリア
ミトコンドリアは、あらゆる細胞の活動エネルギーを生み出していますが、深層筋が少ないと、エネルギーを生み出す働きも弱くなり、疲れやすさ、体温の低下、冷え性などの慢性症状につながってきます。
もちろん、背筋が弱ければ、背骨を支える力が弱くなります。そのため椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄など、背骨が変形して痛みを生じるような問題が起こりやすくなります。
こういった変化は、特に中年以降では老化と直結してきますから、早めの対策が必要です。
背中には重要なツボが並んでいる
鍼灸医学では、背部兪穴(はいぶゆけつ)といって、背骨の両側に重要なツボが並んでいます。
背中にある肺兪(はいゆ)、腎兪(じんゆ)など内臓の名前が付けられたツボは、それぞれの内臓が弱ったときにコリなどの反応が出てます。その反応は、そのまま治療点にもなっている、臨床上重要なツボです。背筋群が弱く、背中のあちこちに疲労がたまっているような状態、これはツボの状態が悪いということになります。
例えば、呼吸が苦しいときに肩甲骨の間、お酒を飲み過ぎたときに肝臓の裏あたり、食べ過ぎたときに胃の裏あたりの背中に痛みやコリを感じたことのある人がいると思いますが、内臓の疲れや不調と背筋のコリ(弱り)の間には、深い関係があるのです。
このような時、温めたり鍼灸で刺激して異常な反応を解消すると、血液循環の改善や自律神経の正常化から、内臓の疲れも回復しやすくなります。
まず栄養充実から
背筋や背骨の弱い患者さんは、病院で運動を勧められることが多いようです。
でも、その前に栄養状態を整える必要があります。特に動物性食品によってタンパク質をしっかり摂ることが大切。タンパク質栄養を充実させてておくと、筋肉は日常生活動作だけでも徐々に鍛えられます。
運動をするならその後でやるようにすると、鍛えようとしてかえって痛めてしまうことを防ぐことができるのです。そもそも、筋肉の主成分はタンパク質ですから、これが不足していては話にならないわけです。
バランスボール
栄養が充実していると、日常生活の動作だけでも背中の筋肉、体幹の筋肉はけっこう鍛えられます。高タンパク食と日常動作でゆっくり体幹を鍛え、自然と充実してきたらもう少し積極的なトレーニングをする。
特に、虚弱体質の女性や、中年以降で運動をしてこなかったような人は、それくらいゆっくり鍛えていった方が無理があありません。
楽で効果的な背筋の鍛え方としては、バランスボールがお勧め。ボールの上に座ってバランスを取るだけで、自然と体幹の深層筋を鍛えることができますよ。
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