鍼灸による不妊症治療
不妊に効果のある鍼灸
鍼灸で不妊症の治療をすることが出来ます。実際に当院でも、40歳を過ぎて一度も妊娠したことがなく、子供をあきらめていた方がご懐妊された例があります。
鍼灸が不妊症に効く主な理由は、子宮や生殖器の血流がよくなり、生殖機能が高まるから。赤ちゃんが宿る子宮は、骨盤の真ん中にありますが、骨盤は腹筋や殿筋(おしりの筋肉)で囲まれています。そのため、子宮の環境は筋肉などもふくめた周辺組織の状態に大きく影響されます。
足腰が冷えたり、筋肉が凝り固まって血液循環が悪くなると妊娠しにくい状態になります。また、このような状態は妊娠しても流産しやすいのです。
鍼灸には深い部分の筋肉をゆるめ、血流を強力に活性化する作用がありますから、不妊症に効果があります。不妊症の治療は、鍼灸の得意分野だと言ってもいいでしょう。
もちろん不妊症は女性だけに原因があるわけではなく、その半数は男性側の原因です。鍼灸は男性の不妊症に対しても効果的で、精力を高める治療を続けていると、精子の数や活性度合い、正常な性欲の強さをもたらします。
伝統医学が重視したこと
鍼灸はもともと、古代中国の貴族や王族の医学として発展しました。その時代の貴族にとって子孫を残すことは非常に重要なことでしたから、特に力を入れて研究されてきました。
ですから伝統的な鍼灸が持っている方法には、子宮や女性機能、男性機能を活性化し、子宝に恵まれやすい体質を作るために役立つものが多いのです。
鍼灸の世界では、養生やメンテナンスのために定期的に通院したり、腰痛や肩こり、冷え性の治療をしているうちに期待していなかった子宝にも恵まれてしまった、ということが少なからずあります。
2つの不妊症タイプ
不妊症には大まかに2つのタイプがあります。それは気や血が不足しているタイプと、瘀血(血流の滞り)があるタイプの2つです。
1、気血不足タイプ
このタイプの人は、気血、つまり血液やエネルギーが足りません。胃腸虚弱や食習慣の問題によって慢性的な栄養不足で元気がない状態ですが、体力の無さや冷えを自覚していることが多いです。
このタイプの不妊症では、不足している気や血液を増やすための治療を行います。栄養不足の側面があるため、食養生、つまり普段の食事や栄養面の改善も必要となります。
2、瘀血タイプ
もう一つは瘀血(おけつ)と呼ばれる、血流が滞っているタイプです。このタイプは、気血が足りないタイプよりも体力がありますが、血液循環が悪いため妊娠しにくい状態になっています。
このタイプの不妊症は、鍼灸治療によって冷えや筋肉のコリといった血液循環を妨げる要素を解消してくことで、妊娠しやすいお身体の状態を作ることができます。
男女ともに体質の改善が必要
ただし実際は、気血の不足と瘀血の両方が合わさったような体質の方もいて単純ではありません。
それでも正常な妊娠を妨げている原因を東洋医学的な目で見極め、それに対して適切な鍼灸治療を続けていると、骨盤腔内の血液循環が改善して妊娠しやすいお身体の状態に整ってきます。
この2つの体質傾向は、男女ともに同じことが言えます。気血を充実させて血液循環を高めることで、生殖に関わる細胞が活性化し、子宝に恵まれやすい体質に変わってくるのです。
食養生と妊娠
また、妊娠を希望される患者さんに対して、当院では食事の指導を重視しています。鍼灸の効果で妊娠しやすくなることは間違いないのですが、血流を良くしても血液に乗っている栄養成分が希薄な状態では効果が薄くなるからです。
また、妊娠した後、おなかの赤ちゃんの発育、出産、産後の回復や授乳のために、お母さんができるだけ体力を付けておくことが重要。胎児の発育には大量の栄養素を必要とします。日本人女性は鉄やタンパク質不足の人が非常に多いのですが、そのままの状態で妊娠すると、胎児の発育や母体の健康にも大きく影響します。
実は、一般に考えられている「バランスの良い食事」では、かえって質的な栄養不足(カロリーは足りているけれど質的に問題がある)状態になってしまうことがあります。一律に特定の食事法をするのではなく、個別に、今の状態に合わせた対応が必要です。
不妊症でお悩みの方、赤ちゃんが欲しいけれど健康状態に不安のある方は、お気軽にご相談ください。
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