天気痛
天気痛
今年は海水温が高く、台風が多く発生していますね。今のところ関東を直撃する台風は少ないですが、遠く沖縄辺りで発生した台風であっても身体は影響を受けます。一部の人は天気の変化、特に気圧の変動が起こった時、身体に痛みを感じます。このような痛みを「天気痛」と呼びます。
雨が降ると頭痛がする、ひざや腰が痛む、首や肩が凝る。このような症状は女性に多いですが、まったく影響されない人も少なくないため、他人に理解されにくい悩みです。
気圧の変動を感知しているのは、耳
身体の中で気圧の変動を感知しているのは耳。耳の奥にある「内耳」という所にある器官が、浮腫みや炎症があると過敏になり、低気圧や台風が来ると過剰に反応してしまいます。
その結果、自律神経が乱され、筋肉の緊張や痛覚の過敏さを引き起こし、頭痛や関節痛などの痛みが生じます。このような天気痛が女性に多いのは、首や肩のコリが関係するからです。首、肩、アゴ、耳の周りなどが緊張し、血液やリンパ液の循環が悪くなると、内耳にむくみや炎症が起こり、過敏になってしまいます。
女性は体質的に肩がこりやすいので、それと関連して、天気痛も起こりやすくなります。その対策としては、首や肩のコリを緩め、耳まわりの循環を良くすることが有効。今月のニュースレターでは、天気痛のセルフケアをお伝えします。
天気痛改善セルフケア
首・肩まわりのコリを緩めて、耳まわりの循環の改善を目指します。セルフケアをするときに最も大切なことは息を吐きながら、肩の力を抜くこと。
指の腹で耳まわりと首をマッサージ
耳を中心に、こめかみ、下あごのライン、側頭部、首の側面などを気持ちのいい強さでぐるぐると円を描くように指の腹でほぐします。
手の重みを利用して首のストレッチ
片手を頭の上に乗せ、横、斜め前などに頭を倒して、首の筋肉を伸ばします。このとき、手で力を加えないこと。あくまで手は乗せているイメージで。ゆっくりと息を吐いて伸ばします。
耳ひっぱり
両耳を指でつまんで上、斜め上、横、斜め下など様々な方向へゆっくり引っ張ります。はじめは結構痛いですが、段々緩んできます。ついでに耳の穴も引っ張って伸ばします。
肩甲骨ストレッチ
両肘を曲げて手を顔の前に。そのまま手のひらを外に向けて肘を開きながら胸をゆっくり開き、左右の肩甲骨を近づけます。5秒で開いて5秒止めて、5秒で戻すくらいのスピードで。
自律神経を整えるツボ 『井穴(せいけつ)』
指の爪の際にあるツボを井穴と呼びます。それぞれ内臓に関係していて、細かい使い方もあるのですが、すべての井穴を順番に丁寧にもみほぐすことで、乱れた自律神経を整える効果があります。
天気痛も自律神経の乱れと関係して起こりますが、緊張しやすい、頭や気分がすっきりしない、眠れない、不安感がある、頭痛、めまい、のぼせ・・など、自律神経の不調による症状全般に効果があるツボです。フーっと息を吐きながら、痛きもちいいくらいの強さで、つまむように刺激します。
これらのセルフケアはどれも、出来ればお風呂あがりなど身体が温まっている時に行うとうまく身体が緩みます。気持ちよく出来るものだけでも、是非日常に取り入れてみて下さいね。
【はりきゅう丙辰堂便り10月号 2022.10 『特集 天気痛』『今月のツボ』より】