秋の養生
身体の粘膜を労る
秋も深まり、だいぶ寒くなりましたね。秋は気温が下がると同時に空気が乾燥するため、粘膜を傷めやすい時期。そのため肺の病(咳、風邪、ぜんそくなど)が起こりやすくなります。
温かくして、加湿する
ウイルスや細菌から身体を守るのどや鼻や肺の粘膜は、寒さと乾燥を嫌います。身体を温めると共に、水分を逃がさないようにすることが、秋の養生の基本。そのためにはまず、温かくして加湿器を付けること。
しかしそれだけではなく、身体を寒さと乾燥に強い状態に整えるておくことが大切です。
食べ物で粘膜を強くする
旬の魚介類や肉、卵などをしっかり食べると、身体を温めると同時に潤し、皮膚や粘膜の乾燥を防ぐことができます。タンパク質、脂質、亜鉛やビタミンなどの栄養素が水分を保持し、粘膜を強くしてくれるからです。
野菜などの食材もなるべく秋が旬のものを使い、生姜や唐辛子などで辛みを少し加えると身体を温め、肺と粘膜の働きを高めることができます。
空気が乾燥する季節は、身体の水分も失われます。運動は肺の働きを活発にするので好ましいですが、大量に汗をかくような激しい運動ではなく、少し汗ばむ程度にしておくとよいです。
秋のおすすめ食材 鮭
秋が旬の「サケ」はビタミンDが豊富。ビタミンDには免疫を調整する働きがあり、ウイルスに感染した際に過剰な免疫反応を抑え、必要な免疫機能を高めます。そのため、新型コロナウイルスの重症化を防ぐ栄養素として注目されています。
サケは良質なタンパク質と脂質、ビタミン類の他、抗酸化効果の高いアスタキサンチンを豊富に含みます。秋の養生におすすめの、身体を温め、潤してくれる食材です。
【はりきゅう丙辰堂便り創刊号 2021.10 特集『秋の養生』より 一部編集】