梅雨の養生

水はけを良くする
早いもので春も終わり、梅雨が近づいていますね。この時期、身体に熱を持ちやすい体質の人は蒸し暑さが苦しく、冷えやすい人はじめっとした寒さが身にこたえます。
梅雨の養生の要点は「身体の水はけ」を良くすること。水分を摂り過ぎないようにして、汗をかき、おしっこがしっかり出るように身体を整えることで、体内に「湿」が停滞しないようにします。
食事では、水はけを良くする食材である豆類、瓜類、生姜がおすすめ。また、お茶など利尿作用のある飲み物を、温めて少量飲みます。
瓜は身体を冷やしますから、熱を持ちやすい体質の人向き。生姜は冷えやすい人に向いています。豆類は体質を選びません。どの食材も適量は、美味しく食べられる量です。
また、身体から余分な水分を出すために「汗をかくこと」も大切。
運動や入浴でしっかりと汗をかくと、停滞した水分が排泄されてすっきりします。汗をかけない人は身体が重だるくなったり、腰や節々が痛んだり、胃腸の調子をくずしたり、気分が晴れず鬱々となりやすいです。
これらは身体に湿気と水分が停滞して起こる不調ですから、汗や尿で余計な水分を排泄し、冷えやすい人は温めて循環を促すことが有効。日中室内で過ごす人は、除湿器などで湿度を下げることも必要でしょう。
6月は暦の上で、すでに夏。一年の中でも日が長い季節ですから、朝は早く起きて活発に動くことが季節に合った過ごし方となります。
体質と梅雨の過ごし方
じめじめとした梅雨ですが、不調を感じる人もいれば快適に過ごしている人もいます。この違いは健康レベルや体力のあるなしにもよりますが、生まれ持った体質傾向も影響しています。
東洋医学的に体質をみるとき、水分の調整能力から乾きやすい「乾タイプ」と水が溜まりやすい「湿タイプ」に分けられます。
乾タイプの人は梅雨時も比較的快適に過ごせますが、湿タイプは身体に水が停滞しやすく、体調をくずしがちです。自分がどちらの傾向が強いか、下のリストで確認してみて下さい。
【乾タイプの特徴】 | 【湿タイプの特徴】 |
肌の乾燥 | むくむ |
洗顔後に肌がつっぱる | 身体が重くだるい |
汗をかかない | 汗っかき |
かかとや指先が割れる | じくじくとした湿疹 |
舌、口、鼻が乾く | 舌がぼってりと厚い |
ドライアイ | 雨の日は調子が悪い |
コロコロの硬い便 | べたっとした軟便 |
声がかすれる | 下痢しやすい |
空咳が出る | 痰が多い |
黄色い舌苔 | 舌苔が白く多い |
髪がパサつく | 頭皮がべたつく |
乾燥したフケが出る | 湿ったフケが出る |
湿タイプの特徴が多く当てはまり、梅雨が苦手な人は、水分の摂り過ぎに気をつけ、運動や入浴で汗をかくようにしましょう。蒸し暑いからとアイスや冷たい飲み物を摂りすぎると、胃腸が冷え、水分が停滞し、体調不良の原因となります。
【はりきゅう丙辰堂便り6月号 2022.6 『特集 梅雨の養生』より】