背中の痛み
folder日々の臨床
背中の痛み
背中の痛みを訴える、50代の女性の症例です。
右側の肩甲骨の間から背中にかけて、痛みが2週間以上続いています。近所の整体院に通ったが改善せず、そこの先生に、最後は電磁波の影響だと言われたそうです。
痛みの部位を診察すると、甲骨と背骨の間が広範囲に凝り固まり、盛り上がっていました。炎症はなく、筋肉が異常に凝り固まった状態だったため、単純に弛める施術をしたところ、痛みはその場でほぼなくなりました。
1週間後にもう一度来てもらい、状態を確認しました。痛みはなくなっており、背中が重たいような、コリりの感覚だけがあるとのこと。弛める施術をもう一度行い、様子をみてもらうことにしました。後日紹介者から聞いたの話では、それで治ったとのこと。
このような症例は日常的。鍼灸で治療しやすい分野です。
急性症状に著効する鍼灸
女性は肩こりやすく、首や肩、肩甲骨周辺の筋肉の柔軟性がなくなっている人が多いです。何らかの原因で凝りがひどくなったり、ギクッと痛めてしまうことで、生活に困るような痛みが生じます。
このような症状が出た時、固まっているだけなら鍼灸で弛めれば治りますし、炎症があれば、まずそれを鎮め、のちに弛める治療をして治すことが出来ます。(ただし、頸椎の異常からくる神経は別です)
整体師の言う電磁波の影響、肩こりにはあったかもしれませんが、今回のような、急性的な痛みにはさほど影響していないでしょう。
今回の女性のように、単純に弛めれば済むような痛みや症状は多いもの。ただし、強い痛みを生じるほどのこわばりは、温めたり揉んだりしても簡単には弛みませんから、鍼灸が役に立つ場面だと思います。