風邪の予防

- update更新日 : 2023年01月24日
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咳 女性

冬は風邪を引きやすく、特に喉や鼻などのウイルス感染をおこしやすい時期。新型コロナが流行りだした一昨年からは、うっかり風邪をひくこともできなくなりました。

僕(院長)は東洋医学的に『肺虚』体質で、生まれつき粘膜や呼吸器系にトラブルが起こりやすい体質です。子供の頃から喘息、鼻炎などがあり、呼吸器の病気になりがちでした。大人になってからは風邪をひきやすいということもなかったのですが、子供が幼稚園に入ると頻繁に風邪をもらって来るので、また風邪をひくようになってしまいました。

咳 女性

患者さんと対面する仕事上とても困るので、有効と思われる風邪対策はいろいろと試みました。多少は効果が出たようで、今では以前ほど頻繁には風邪をひかなくなりました。

試行錯誤の結果、今現在風邪予防のために心がけていることを列挙してみます。

院長の風邪予防

〇 十分な睡眠時間の確保(7~8時間)

睡眠 女性

〇 栄養(高タンパク食、ビタミンの摂取)

食事

〇 運動(よく歩く、心肺機能を使う軽い運動)

歩く 女性

〇 熱めの入浴

入浴 女性

〇 鼻呼吸

鼻呼吸 女性

睡眠時間が7時間未満の人は、8時間以上の人と比べて3倍風邪をひきやすくなるという研究が知られており、睡眠不足は免疫力の低下を引き起こします。

免疫細胞の活動はタンパク質やビタミン、ミネラルといった栄養素に依存していますから、栄養不足だと免疫力が低下します。

また、日頃から適度な運動の習慣があると呼吸機能とともに免疫力が高まり、風邪をひきにくくなるようです。これは強く実感しています。

 

もう一つ大切なこととして、いつも「鼻呼吸」できているかどうか。口呼吸ではウイルスに侵入されやすくなるため、常に鼻で息をするように心がけます。夜は口呼吸にならないよう『鼻腔拡張テープ』を貼って寝ています。

それでも年に1~2度は風邪をひき、予約の変更をお願いしてしまうことがあるのですが・・症状は以前よりもずいぶん軽く済んでいますし、子供から風邪がうつることは格段に少なくなりました。

院長のおすすめ風邪対策

今回は自分で実践している風邪対策の中でも、特に手軽で効果的と思える方法を2つご紹介します。それは『鼻うがい』『ゆでだこ療法』です。

鼻うがい

鼻うがい イラスト

鼻うがいは、濃度1%の塩水で鼻腔を洗浄する方法です。「痛そう」と思われるかもしれませんが、濃度と温度が適切であれば痛くありません。

やり方は簡単。ボトルに塩水(ぬるま湯くらいの温度)を入れて片方の鼻の穴から洗浄液をゆっくり流し込み、反対側の鼻の穴から出します。鼻腔の粘膜に付着したウイルスや花粉などを洗い流せるため風邪予防に非常に効果があり、花粉症にも有効です。鼻うがい用の塩や洗浄液、ボトルなどは薬局で購入できます。

鼻の炎症が酷いときや、すでに風邪をひいている時に鼻うがいを行うと中耳炎になる恐れがあるので、耳鼻科の医師に相談してから行うようにしてください。

ゆでだこ療法

『体温が1℃上がると免疫力は3倍になる』と言われます。

風邪の引きはじめにゾクゾクとした寒気を感じるのは、脳から「体温を上げろ!」という指令が出ているとき。免疫力を高めて風邪のウイルスを撃退するためなんです。そこで「風邪をひいたかな?」と感じたときは、身体の仕組みを先取りして熱いお風呂に入り、体温を上げてしまいます。

入浴 イラスト

42℃のお風呂に10分ほど入れば体温が約1℃上昇しますから確実に免疫力を高めることができます。『ゆでだこ療法』とも呼ばれるこの方法、風邪のひき始めに行うと、それで治ってしまうこともあります。

ただし血圧の高い人や高齢者、若くても体力のない人は、無理のない範囲で身体を温めるようにしてください。

 

【おまけ】風邪に効くツボもあります!

風邪のひき始めに温めるツボ

なんだかゾクゾク寒気がする…そんな風邪のひき始めにおすすめのツボ『大椎(だいつい)』。

風邪のひき始め

首を前に倒した時に大きく飛び出る骨(第7頚椎)の下のくぼみ(背骨の骨の間)にあるツボです。

大椎 ツボ

東洋医学では『大椎』を、寒さなどの環境変化から身を守る「衛気(えき)」を調節するツボとして、風邪のひき始めの治療や風邪予防に使います。

冬の外出時には、大椎付近にホッカイロを貼っておくと、思っていたより寒かった時も風邪をひかずに済みますし、ホッカイロは貼りたくない時でも、マフラーやタートルネックで大椎に外気が当たらないようにしておくだけで、風邪の予防効果が期待できます。

風邪のひき始めの場合はより積極的に大椎を温めるとよく、ホッカイロの他にはドライヤーで熱を当てるのも、手軽に出来ておすすめです。ゾクゾクっときたら大椎!

【はりきゅう丙辰堂便り1月号 2022.1 『特集 風邪の予防』『今月のツボ』より】