子どもの身長
図書館でたまたま見付けたこの本、4歳のときの身長と平均身長との差で、最終的な身長をほぼ予測できると書かれていたのが面白いと思って読んでみました。幼いお子さんのいる方には特に、参考になると思ったので内容をかいつまんでご紹介します。
子どもの身長が伸びる時期
通常、生まれてから4歳までの間に身長は約2倍となります。その後4歳~思春期が始まるまでは毎年5~6cmのペースで伸び続け、思春期が始まるともう一度大きく伸びる。
思春期の5年間で男子は25cm、女子は22cmほど伸びるのが普通だそうです。思春期が始まると、初めの2年で急激に伸び、後の3年で伸び幅が半減し続け、やがて伸び止まります。
4歳までの身長の伸びを決める主な要素は、食べたものの質と量であり、単純によく食べる子は大きくなる。やはりタンパク質は重要で、特にアルギニンとグリシンが身長の伸びに関与するそうです。
また、少食の子供は普通にたべる子供と比べて、年間1センチ程度伸びが抑制され、睡眠不足や過度なストレスも身長の伸びを妨げると書かれていました。おおらかな親に育てられ、よく食べ、よく遊び、よく眠る子供は、大きくなりやすいかもしれませんね。
逆に、毎晩遅くまで塾通い、大人並みに肩こりのある今どきの子供達は、身体も大きくなりにくいんじゃないかと心配になります。最近の調査でも、日本人の平均身長は低くなり始めているようです。
思春期が遅いほうが身長は伸びる
著者によれば、思春期が遅いほど身長は高くなるそうですが、日本人は欧米人に比べて思春期が早い、早熟傾向にあるのだとか。また、栄養状態が悪いほど種の保存のために性成熟が早まって思春期が早くなる傾向にあるそうです。
実際に化石の研究から、縄文時代から江戸時代にかけて日本人はどんどん小さくなっていることがわかっていますが、おそらくこの間、日本人の栄養状態は悪化していたのでしょう。
また、子供が肥満だと初潮年齢が早くなると言われています。それは、肥満細胞が女性ホルモンを作るからなのですが、最近の子供の肥満率の高さも、身長の低下に関係しているだろうと思いました。(ちなみに、肥満は栄養不足によって起こる側面があります)
著者によれば、「4歳時点での平均身長との差」が、放っておけば、そのまま最終的な平均身長との差になる確率が高いそうですが、早期に専門的な対策を講じることで伸ばすことは十分に可能だということ。
お子さんの身長で悩んでいる方には、参考になる本だと思いました。