頭のツボ 百会によるうつ病の治療

うつ病の女性

鬱や精神症状に効果のあるツボ

頭のてっぺんに百会(ひゃくえ)というツボがあり、うつ病や精神症状によく効くツボとして知られています。実際に、気分がすぐれない、うつ状態が続いている、なんだか落ち着かない、このような症状の患者さんの百会に鍼やお灸をすると、頭がすっきりして気分が良くなります。

百会は、鍼にもお灸にも適したツボです。どちらを選ぶかは、その方の体質によって決めています。百会にちりっと熱い「透熱灸(とうねつきゅう)」をすると、うつ症状の人などは靄のかかった頭が晴れるようになり、非常にすっきりします。重度のうつ病であっても、全身的な治療と一緒に百会のお灸を続けていると、頭のもやもやが晴れて活動する意欲がわいてくることが多いのです。

百脈の会

東洋医学で、百会は「百脈の会(ひゃくみゃくのえ)」と言われ、全ての経絡(気血の通り道)が頭のてっぺんで交わるポイントだとされています。このポイントに適切な刺激を与えると、全身的な循環のうっ滞が解消されます。うつ病は「気の流れが鬱々と滞った」病気なので、百会の開通で流れが良くなり、スッキリするのです。

百会によるうつの治療、イメージとしてはプッチンプリンの容器をさかさまにして、プチッと穴をあけると『スポン!』とプリンがお皿に落ちてくるような感じです。鍼灸の師匠からそう教わりました。頭の詰まり、百会の気の滞りをスポン!と解消する百会というツボは、鬱だけでなく様々な症状に効果がある万能のツボです。

百会のお灸で改善した症例

藤沢市善行にお住いの50代の男性の症例です。

企業で管理職についているこの男性は、仕事の重圧から鬱状態になっていました。はじめは肩こりを解消するために来院していましたが、いろいろお話を伺ううちに、肩よりも頭の緊張と鬱症状の方が深刻だということがわかりました。重い責任を負い、仕事のストレスによる頭部の緊張から首や肩も凝っているようでした。

頭部の緊張はこめかみ部分や側頭部、後頭部の筋肉に強く現れますが、頭のてっぺんにある百会のツボを押してみると、全体にズーンと響くような痛みが出ます。ここに透熱灸(とうねつきゅう)という、小さくよった艾を直接燃やすお灸を施し、頭部全体の緊張を弛めました。

治療の後は頭が軽くなると同時に、気分がすっきりします。これを数か月繰り返すうちに、いつの間にか鬱症状はなくなり、ストレスの多い仕事にも落ち着いて対処できるようになりました。今では良い状態を保つため、月に1度程度のメンテナンスに通っています。

精神症状と頭の緊張

精神的な症状が出ている人のほとんどは頭が非常に緊張しています。頭部にもたくさんの筋肉がありますが、これがカチカチに緊張してしまうのです。さらに、清浄な状態であれば微妙に動いている頭蓋骨の動きが固まってしまい『骨が緊張している』ような状態になっています。

こうなると頭部への血流も悪くなり、心身ともに不快感や痛みが現れます。百会をはじめとした頭のツボに鍼灸で治療をすることで、頭の筋肉や頭蓋骨の緊張を緩めることができるのです。特に、頭蓋骨の緊張を緩めるには百会へのお灸が効果的です。

うつ病は精神の病なので治りにくいと思われていますが、関連した身体の緊張を解くことで治りやすくなります。うつや精神の不調でお悩みの方は相談ください。きっとお力になれると思います。

(※効果には個人差があります。また通常、鬱症状が治るまでには一定期間の通院が必要です。)