怪我の鍼灸治療

怪我をした女性

鍼灸は首肩コリの解消のほか、慢性的な痛みの改善を得意としています。それは強ばった筋肉などの組織を柔らかくして、血液循環を良くする効果が高いからなのですが、じつは、この効果は怪我の治療にも役立ちます。怪我をした時に鍼灸をしておくと、傷の治りを早め、腫れを速やかに引かせることができます。

このような怪我に対する鍼灸の効果は、意外と知られていません。以下に、当院でのけがの治療について、実際の施術例をいくつかご紹介します。

症例1 指の剥離骨折

ある女性患者さんは、転んだ拍子に指を痛めてしまいました。人差し指が痛み腫れ上がってきたため、病院に行ったところ、指関節の剥離骨折だという診断を受けました。病院では固定し、抗生物質を処方されましたが、仕事がら指を使わないわけにいかないので、何とか早く治すことができないかと当院を受診しました。

腫れた状態というのは、組織の圧力が高まった状態です。鍼とお灸で圧力を抜く簡単な施術を行ったところ、翌日には腫れが引き、痛みも大幅に軽減しました。当初、医師は全治1か月を予想していましたが、結果的に2週間ほどで治ってしまいました。

このように骨折などで腫れを伴う怪我の治療には、まず炎症を鎮めて腫れを引かせる施術をします。これを行うと翌日には腫れが引き、痛みも大幅に軽減します。そして炎症症状が落ち着いてからは、患部とその周辺を鍼とお灸で活性化し、血流を促して治癒を促します。

症例2 噛み傷

ある女性は飼い猫に手を噛まれてしまいました。脱走して興奮した猫を捕まえようとしたところ、ガブリとかみつかれたそうです。傷は深く、噛まれた後はパンパンに腫れ上がっていました。

怪我をした翌日に腫れを引かせる施術を行ったところ、翌朝には家事ができるまでに回復。噛み傷は化膿や感染症が恐いので、化膿止めと免疫強化の作用があるツボにもしっかりお灸をしました。

その後もスムーズに回復し、傷跡も残らずに済んでいます。開放性(傷が開いて出血している)の傷は、治るまでにお灸をしておくと不思議と痕が残りにくく、きれいに治ります。

症例3 切り傷

料理中にうっかり指を切ってしまった方の症例です。この方は、包丁で硬い食材を切っているときに、手を滑らせて指を1センチほど切ってしまいました。病院で縫われるのは嫌だからと、鍼灸で対処できないかという相談を受けました。

切り傷をふさぐことはできませんが、炎症を鎮めて傷がふさがりやすい状態を作ることはできます。腫れた傷の周囲に鍼とお灸を行い、傷の上に点灸という小さいお灸をいくつか施しました。すると、翌朝には腫れが引き、傷がふさがり始めました。

このように鍼灸は慢性症状だけでなく、外傷などの急性症状にも効果のある治療法です。(※効果には個人差があります)