東洋医学の考え方

はじめに

東洋医学の源である「気」とは!?

当院では、伝統的な東洋医学の考え方に基づいて鍼灸治療を行っています。東洋医学には、背景となる思想があります。それは「気の思想」です。

気の思想では、世界には一つの「気」があるだけだと考えています。つまり、一つの「気」から万物が生まれた。「気」から生まれた万物は、やがてまた「気」に還る。そうして、すべては循環している。というような考えです。

この「気の思想」をもとに作られたのが東洋医学です。

しかし、現実的な事柄を扱う医学で、「気」だけではおおざっぱ過ぎて困ります。それで身体の構成要素を「気」と「血」に分けました。気はエネルギーや働きのこと、血は血液や内臓など物質的な要素を意味しています。

このように東洋医学では、身体を「気血」としてシンプルにとらえ、その不調を調整していきます。そして気血が活発に働き、滞りなく循環している状態をつくることで、健康を回復し、維持しているのです。

すべての病は「虚実」から生まれます!

「気血」について、もう少し詳しくご説明します。東洋医学では、次のように言われています。

  • 「気とは目に見えない働き
  • 「血」とは物質的な、身体の目に見える部分

健康な状態は、気血に過不足がなく、充実して、全身をくまなく循環している状態です。ところが人生の中では、疲労やストレス、栄養不足、環境からの影響で、気血が不足することがあります。この気血が足りない状態を「虚(きょ)」と言います。

虚とは

この虚は、虚弱体質などの虚ですね。中が空っぽな、うつろな、というような意味があります。人の体のことでいえば、例えば、年をと取ってやせ衰えるのは虚です。お腹がすいて動けなくなるのも、虚です。疲れて元気がなくなるのも、虚です。実は、この「虚」がひどくなると、病の原因になります。

東洋医学では、すべての病は「虚」から生まれ、虚を満たすことで病が治る。このように考えています。虚には気が不足した気虚、血が不足した血虚の2種類があります。気と血のどちらが不足しているか、どこで不足しているか、その原因は何か。そのように考えを進め、不足を補うことを治療の目的としていきます。

もう1つ病の原因となるものがあります。それが「虚」の反対にあたる「実(じつ)」です。

実とは

「実(じつ)」とは気血があり余った状態です。気血は不足すると病の原因になりますが、やはり多すぎてもいけません。たとえば、満腹のお腹や、パンパンに張った肩こりや、怪我などで赤くはれ上がっている状態は「実」です。虚からくる症状に比べて、実からくる症状は激しい傾向があり、強い痛みや苦しさを伴うことが多いです。

東洋医学、特に鍼灸では、このような実からくる症状にたいして、それを弱めることで治療していきます。具体的には、お腹が張っていれば胃腸の働きを活発にして溜まったガスや便の排泄を促します。肩こりなどで筋肉がパンパンに張っていれば、それを緩めて、血流をよくすることで張りを解消します。怪我をして関節がはれ上がっているような状態は、熱をもったうえに浮腫みが強くなっています。そのような場合も局所的な循環を良くすることでこもった熱を発散させ、浮腫みを取り除きます。

このようにして実(じつ)の症状が取り除かれると、痛みや苦痛がなくなり、治りやすくなるのです。

虚実とツボ

このように、気血が不足している状態、強すぎる状態を合わせて「虚実(きょじつ)」と呼んでいます。東洋医学は、この「気血の虚実」が病の本質だと考えているのです。

例えば「虚実」を身体のデコボコだと考えて下さい。実は、このデコボコが「ツボ」です。鍼灸では虚実によって生じたデコボコ=ツボを刺激し、それを平らにすることで、虚実のバランスとを取っているのです。

そうすると、低下していた身体の機能が活発に働くようになり、滞っていた気血の循環が良くなり、身体が元気を取り戻します。鍼灸ではこのようにして、身体のバランスを整えていきます。考え方がシンプルであるがゆえに応用範囲が広く、多くの病気や症状に効果を発揮しています。

どんな病でも本当は自分の力で治すことができます!

自然治癒力

気持ちのいい女性

東洋医学の本質を説明するために、もう一つ大切なことがあります。それは自然治癒力です。身体にはもともと、壊れたところを治して元の状態に復元する力が備わっています。その力を自然治癒力(しぜんちゆりょく)と呼んでいます。

例えば、すり傷などの小さい怪我は、放っておいても自然に治りますよね?それが自然治癒力の働きで、生きものだけが持っている不思議な力です。今現在生きている人には、誰でもこの力が備わっています。この力が働かなくなったら、人はすぐに死んでしまいます。つまり、この働きは生命の根本なのです。

鍼灸に副作用がない理由

東洋医学では身体に本来備わった働きを高めることを目的に、治療を行います。そのため、自然で、安全で、副作用がなく、赤ん坊からお年寄りまで誰にでも使うことがきるのです。鍼灸に副作用がない理由はそこにあります。また、依存症になるような、習慣性がない理由もそこにあります。

なぜならツボを刺激して、身体の自然な働きを助けているだけだからです。近代文明によって、人は今までよりもずっと長生きできるようになりました。しかし長生きに伴って、いろいろな苦痛や悩みが生まれているのが現実だと思います。

東洋医学、ことに鍼灸は、そんな現代人の抱える苦痛を和らげることができます。苦痛をなくし、元気を取り戻すための知恵と方法がここにはあるのです!長い歴史を生き残った東洋医学の知恵と技術は、科学の発達した現代だからこそ、なおさら利用する価値があります。

このホームページで東洋医学と出会った方には
ぜひ、伝統的な鍼灸治療を体験していただきたいと思います。
丙辰堂はあなたが苦痛から解放されて元気な日常を取り戻すことが出来るよう、全力を尽くします。